Recipes by Kii's Open Field

Recipes by Kii's Open Field
食べることが大好きです

2015/09/23

野生のホップ

最近は、秋の果物の収穫とともに、翌年の準備(堆肥を入れるなど)を行っていますが、
畑の奥の方に、堆肥を置いているスペース
あまり手入れしていない土手にそれはありました

堆肥のそばに自生していた

10年以上前、まだ農家ではなかった頃、某ビール会社に勤める友人から、
自ビール用にもらったものにそっくり、ひょっとしてこれは・・・

近くの農家さんに聞くと、あっけなく、
「ホップだね、どこに生えてたの?」

やっぱり北海道には自生しているんだ!
実は、農家になろうとしていた当初は、ほんの一時期、ホップ農家を目指していたことも
はやる気持ちを抑えて調べてみると、
カラハナソウというホップとは異なる近縁種もあるらしい
ホップは苦いが、カラハナソウは苦くはない
どうも葉の形がホップではなくカラハナソウのような気がする
う〜ん

しかし悩んでいたも仕方がないので、生のまま噛じってみると、
苦味が!
気にしていた葉の形も、枝によって様々あることがわかってきた

そして、一昨日来られたお客様(お菓子・料理の研究家;道北出身)も、
「ホップですね。天ぷら美味しいですよ」
まるで山菜感覚
で、試してみました

採りたてのホップを天ぷらに

大きなものほど、予想以上に苦味が効いて、やっぱりビールに合うのでした
大地の恵みに合掌


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2015/09/05

プルーン、ブラックベリーのスイーツ

9月に入り、早くも秋の気配が濃厚。
年によってまったく異なる気象を強く感じるのは、私自身が農家になったからでしょう。
今年は果物にとっては本当に良い年。
花時期の暖かで穏やかな好天、その後も日照に恵まれ、忙しい時期には適度な雨。

スイーツづくりなどは畑仕事に追われるばかりの日々ではままなりません。
が、ちょっとしたきっかけが背中を押してくれます。

今回は来週「体験授業」でやってくる、地元の仁木中学生に楽しんでもらうため、家庭で複雑な工程なしでできるレシピを考えてみました。

1つ目は今が旬のプルーンを贅沢に使ったタルト生地ケーキ


甘み、酸味がしっかりバランスした生のプルーンを、しっとりと豊かなケーキの生地が支えます。フィナンシェに近い芳醇な下地は、プルーンに負けていません。

フレッシュな果物を使ったケーキにありがちな、やたらとベチャッとはしていないけれど、しっかりと「果物」が味わえるスイーツを目指しました。



もう1つは、ブラックベリーを乗せたチョコレートケーキ


チョコレートの苦味と、ブラックベリーの酸味が競い合っています。
クルミのサクサクがアクセント。
甘いお菓子ではない、大人の味。
こんなに甘くない味ですが、中学生たちに楽しんでもらえるだろうか。

現時点ではこの2品が体験授業の候補です。
当日まで、少し変わるかも知れません。


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2015/05/14

ホワイトチョコレートブラウニー

ウイスキーを楽しむ会合があるというので、ピッタリのスイーツを作りたいと思いました。
華やいだ雰囲気に、明るい色彩と香りを添えたい・・・

カシスとピスタチオが見える断面

ワックスペーパーで包んでいるので、気軽に持って食べられます

ベルギー産のクーベルチュール・ホワイトチョコレート、畑で栽培したカシスを用い、隠し味にウイスキーを利かしました。
ホワイトチョコレートの味が決め手、と考えましたが、
ベルギー産のものが最も芳醇で後味も幸せな気持ちになれます。
甘いだけでなく酸味の効いた果物、かつ色も綺麗なカシスを使いました。
ウイスキーは主張するほどではなく、香りを感じる程度。

私たちのつくるスイーツは、自然の恵みへの感謝とともに、お世話になっている地域の方々や応援してくださる皆様への「ありがとう」の気持ちです。

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2015/04/05

カシスジャム

とてもシンプルなレシピ。
夏に収穫し、軸まで除いて冷凍しておいたカシスの粒。
果物に対して25%のグラニュー糖、そしてほんの少しだけラム酒を利かします。

ベリー類のジャムはとても色が綺麗です。
果物が自然に持つペクチンが、深紅のジャムを形成してくれました。


定番のヨーグルトとのコンビネーションも良いですが、
ちょっと変わった食べ方をご紹介します。
少しハードなパンを薄く切って、マスカルポーネチーズ(安価な「マスカルポーネ風」でOK!)を塗ります。そこにジャムを乗せてできあがり。チーズの柔らかさとカシスの酸味が幸せな気持ちにしてくれる・・・
是非お試しいただきたいと思います。




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2015/03/18

プルーンの入ったフィナンシェ


インゴットのような型でつくる、文字通りリッチな焼菓子フィナンシェに、セミドライにしたプルーン(今回はくらしまプルーン種を使用)を入れて焼きます。


使う素材を多い順に並べると、
じゃ~ん! 第1位;バター(無塩)、第2位:卵白、第3位:アーモンド(粉)
なるほどリッチな味わいになるわけですね。
この「ぎとっ」とした主材料群を、これまた「ぐぐっ」と甘く味付けし、小麦粉でまとめ、専用の型でカリッと焼いたものがフィナンシェ。
今回のレシピでは、ドライフルーツの酸味が味のポイントになっているようで、「重~い」一辺倒ではないバランスに。



完成してから数日は置いた方が、味が馴染み、しっとり感が出て美味しくなるそうです。小さい割にはグッと迫ってくる、逆にヘビーなレシピなので、小さな型で仕上げて、重くなり過ぎないようにということなのでしょうか。

う~ん、名前・素材・味わい、いずれをとってもまさにリッチなお菓子で、決してセレブは目指していませんが、少なくとも味わうひとときはリッチな気分になれます。




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2015/03/09

コーヒーとクルミのガレット






美味しい焼き菓子を手土産に。

これからたくさんお世話になろう、と思っている大切な人と会う日。
心を込めてつくったものを渡せることは嬉しいこと。

一番底の層と最後に乗せる最上層には、卵黄とバターをたっぷり使った濃厚なサブレ生地を。


サブレ生地が焼きあがったところ

真ん中の層はコーヒーとクルミのヌガー。火の通し具合で粘度、上下層との接着具合、香ばしさ、しっとりさなどが違ってくる。


クルミは昨秋、カラスと競争で収穫したものをローストして使用


サブレ生地にヌガーを乗せたところ
焼き上がり、完成です

基本的に粒々を結着させているだけなので、しっかり一体のものになっているかどうか心配。

食べてみると、
パリっとした食感と、ヌガー&サブレ生地のリッチな感じが口の中で溶け合っていく。

今回のレシピは、とても気に入っている、津田陽子『今、すぐ作りたいお菓子「ガレット」』(文化出版局)の中からいただきました。

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2015/02/07

ダブルベリージャム

ブルーベリーは生で食べると甘くて美味しいのですが、お菓子やジャムにすると、ややパンチに欠けるように思います。
他のベリーと組み合わせると、程良い酸味が補われて味が引き立つように感じています。
そこで、ダブルベリージャムが良いのでは、と考えました。
ただ、どのような組合せが一番美味しいのか、は難しい課題です。私たちは、ブルーベリーとカシスまたはブラックベリーを合わせていますが、まだまだ試行錯誤しなくては、と考えています。

今回はブルーベリーとブラックベリーが1:1です。
下の写真はミックスした果物を煮て沸騰してきたところ。
とても濃い感じの綺麗な色です。
この色をそのまま大切に保つため、火に掛ける時間はできる限り短くしなくてはなりません。



木べらで手早く混ぜながら煮ます。



仕上がりは糖度計で40度以上としました。
ベリー類はペクチンを多く含むので、ブルーベリーの粒の形状と残しつつ、粘度の高いジャムにすることができました。



濃縮された甘みと酸味は、パンやヨーグルトと良く合うと思います。

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2015/01/23

りんごジャム

初めてりんごジャムを作りました。



果物農家になって5年経ち、ジャムなどを自分たちで作り始めて3年以上経過しても、
なぜか、りんごジャムは作っていませんでした。
確かに、りんごはわずかしか栽培していないこともありますが。
それで、せっかく作るのなら、私たち自身が納得できるものを作りたいと思いました。

ジャムについてだけではありませんが、自らが育てた果物の味と風味を活かすことと、手を加えたことによるプラスアルファも欲しいと考えます。素材そのものを大切にしつつ、素材を超えた何かを求めます。また、食品添加物などは使わず、加える砂糖などの材料も吟味したいと考えています。

今回は、しっかりと味を濃縮しつつも、果肉感は残して果物らしさも楽しめるようなジャムを目指しました。
手本は、真狩で個性的なジャムをつくっておられるコンフィチュール・マサコさん。
けれども、りんごの実は意外と煮崩れしやすく、濃縮しようとすると形がなくなってしまいます。逆に、形を残そうとして短時間で仕上げようとすると、ペクチンが抽出されず、ジャムらしい粘度が得られません。
試行錯誤の末、ある方のレシピを参考に、りんごの皮と実を別々に調理することにしました。

りんごの皮・芯の部分と、実を分けて煮ていきます

何度も試作と味見を繰り返し、なんとか今シーズンのりんごジャムはこれだね!といえるものになったかな。パンやヨーグルトと、きっと良いハーモニーを奏でることと思います。

今回の製作過程を通じて、まだまだ果物の加工について、知らないこと、わかっていないことが沢山あると、あらためて感じました。
次は春までに、ベリーのジャムを再び作製する予定です。

瓶の中に、りんごの塊が見えます!

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2015/01/17

西洋梨とクルミのパウンドケーキ

右手を怪我してから2ヶ月以上経つ。

シーネという簡易なギプスが外れるまでが3週間。
硬いサポーターのような装具は、その後1週間だけで外せた。
その後はリハビリを続け、徐々に動かなくなった手を回復していく。
「まだ骨は完全につながっているわけではない」と言われて恐れ、
「動かさないことには戻らない」と脅されて思い直し・・・

最近は、無理な姿勢と手をかばうことからくる肩こりの方が酷い。
「手首を返す」「こねる」が難しく、お菓子作りから遠ざかっていた。
治療の最初の頃のように、日に々々良くなることはない。
まだ「グー」が十分にはできない。

けれど、今日は久しぶりに最高のレシピに出会う。

西洋梨はセミドライで保存していたブランディワイン。
クルミも畑でカラスと競争で採ったもの。
紅茶の香りを効かせて。
仕上げのブランディはいつもより控えめに。

新しい「型」を使ってエッジを綺麗に出す

歯ざわりがなんとも不思議な仕上がり


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2015/01/01

思いがけず初日の出

新年を迎えました。
果樹園をもっともっと楽しくしたい、と思います。

・・・元旦の朝、枕元に聞こえる音は、町が派遣する除雪車の通る轟音。
作業の皆様、お正月の朝もご苦労さまです。
私たちも、玄関先に寄せられた雪の塊を除きます。
今朝はハウスの横もきれいにしておくかな、と思って作業しておりますと、
一際(ひときわ)明るくなって、ふと見上げると、まったく期待していなかったのですが、
初日の出と対面しました。

除雪した畑の向こうから初日の出が!

(写真ではわかりにくい・・・)
何となく嬉しくなって、除雪作業にも気合が入りました。

除雪作業が終わって、今朝は出掛ける予定なので、食事は軽めに・・・
雑煮(鶏:ネラの出汁と肉、毛越寺の里芋、仁木の椎茸など)、
畑で採れた黒豆、いただきもののすり身アレンジ

昨年暮、毎年お世話になっているお隣の山川さん家で、餅を搗かせてもらいました。
・・・なので、お鏡餅(正月中はカビませんように!)
上に鎮座するみかん、三重県Happy農園のもの、志摩の森下雅子姉さんからのいただきもの。

毎年思いますが、ご馳走はその大半が、地域の方たちからのいただきもの、畑でつくったもの、お世話になっている知人から送ってもらったもの、で支えられています。
都会に住んでいてはなかなか得難い、買えないものばかりだとあらためて思う。

上でテカっと光っているのは、三重県Happy農園のみかん

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