Recipes by Kii's Open Field

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食べることが大好きです

2016/12/11

「14番目の月」を目指して

「14番目の月」は荒井由実の作品です。
「・・・次の夜から欠ける満月より、14番目の月が好き・・・」

果物をお届けすることを生業とする私たちが、なぜ「14番目の月」を目指すのか?
それは、お届けした方に、一番よい状態で召し上がっていただきたいからです。

ひょっとしたら・・・いや、本当は、素直に「満月」が良いのかも知れません。
満月に例えられるのは、完熟でとろけそうな、木から落ちる寸前の果物です。
瞬間の美、
再現も難しいような。

果物は熟すとともに、リスクが増していきます。
熟すとともに甘さが増し、果肉は柔らかくなっていきます。
香りも豊かになってきます。
そこを狙って、虫や鳥が食べにやってきます。
雨や湿気に助けられたカビが成長し、軟化した果皮から忍び込もうとします。
食べたいけれども危ない・・これらは完熟を目指すゆえのリスクです。

これらのリスクに対して、一般の業界・流通は、解決の手段を持っています。
 ・安全サイドの収穫時期(いわゆる早採り)
 ・農薬および防腐剤(収穫期も農薬散布するなど)
この2つの対策のおかげで、安定的に収穫・出荷・販売することが可能となります。

私たちはそれらに頼ることは嫌です。
それで「満月」で収穫するのではないのだけれど、
お届けしたお客様のもとで、「満月」に近い状態を味わっていただくために、
「14番目の月」の日に収穫することを目指しています。

それでも、リスクとロス(出荷できなくなること)はあります。
リスクには、日々の観察と手を掛けることで対処、
ロスはより良いものを出すための肥やし、と思い覚悟します。

9月初旬に実る、桃のように大きなプルーン「パープルアイ」
元々果皮が柔らかくて熟期の難しい、ハイリスクの代表格です


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2016/08/30

西洋梨ケーキ、ダブルベリーケーキ、セロリと揚げの味噌汁

風変わりな軌跡をたどっている台風が近づいています
今夜は短い時間ながら大荒れの予想

大雨も怖いけれども、最も恐れるのは風の力です
この地域では南西風が対策のメインかと思っていましたが、
今回は東からの強風
まだ幼いワインぶどうの垣根に、応急的に支柱を差掛けました
プルーン、西洋梨、りんごなど、相当大きくなってはいるものの、
収穫期はまだなので、採るわけにはいきません。
今日は早生のぶどうの味を確認し、わずかに収穫、
ベリー類も採れるものは採り込んで、
あとは無事を願うよりありません

こんな日は落ち着いてお菓子作りをすることもできませんが、
最近見つけた美味しい収穫物をいくつか...

まずは、以前にトライした、西洋梨のペーストを練り込んだ生地を使ったケーキ
長期保存で熟成が進み、上部のチョコレート味とうまく馴染みました

中央の生地に西洋梨のペーストが練りこまれています


次は、最近試作した、ダブルベリーケーキ
ブルーベリーとブラックベリーを贅沢に使ってみました
バターケーキ生地が落ち着くと、しっとりします

朝ごはんにいただきましたので、サラダ、コーヒーと一緒です


最後はスイーツではありません
和風の汁(味噌汁など)とセロリがよく合うことを見つけました
かつおでダシをとっています
味噌は入れても入れなくてもOK
揚げとの相性も良いです
近所から配達してくれる、昔ながらの製造法を守るお豆腐屋さんが、
最近、揚げさんをよくオマケしてくれるので、
たっぷり入れてみました



セロリと揚げの味噌汁を発見!と思ったら、

既にク◯ク・パ◯ドに掲載されていました



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2016/08/14

ASTORIA / サンドイッチ

知る限りで1番のカツサンドがある
場所は大阪、千里中央駅
土曜の11時過ぎには、既に行列が始まっている
なぜか隣は、某有名チェーンのパン店
どちらが勇気ある出店だったのか、はさて置いて、

少しだけ待って運ばれてきた、カツサンド


少し甘いソースの掛かった暖かい豚カツ
よく油と馴染んだサラダ
薄いけれど、しっかりトーストされたパンでしっかり挟み込まれている
とてもジューシーなのだが、汁が染み出すことはなく、
パンがしんなりしてしまうこともない
山盛りなのに見事なバランスで、きっちり崩れない大きさに刻まれ、
身を寄せ合うようにして皿に乗ってやってくる
ひと口ではちょっと食べられないけれど、手が汚れるのがなぜか気にならない
食べてしまうのが惜しい

サービスは過剰ではなく、けれども配慮に漏れはなし
手際の良さを見ていると、待つことが嫌ではなくなる
狭いカウンターの中に4人、客席側に1人、計5人のおじさんたちが、
店内をずっと動き回っている
時々、注文の伝達や材料の準備などで声を掛けあっている
絶妙なタイミングで、手拭きとコーヒー皿、少ししてから水、
サンドイッチのほんの少し前にたっぷりのホットコーヒーが運ばれてきた

最高のものをいつも安定して提供し、
決して偉ぶらず、卑屈にもならず

2年ぶりに訪れたけれど、多分ほぼ同じメンバー
お代を払って店を出ると「いってらっしゃい」と声が飛んだ
確か2年前も同じ
この店のために、また遠回りをしても良いと思ってしまう


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2016/04/23

春の幸 ワラビ、タケノコ、フキノトウ

丹精込めて下処理された春の味
ワラビはアクを抜いてお浸しに

タケノコは本州からのいただきもの
立派に育った1本、皮を剥いてもそのまま鍋に入らないほど大きい
柔らかい先っぽは刺し身のようにして




フキノトウは毎年初めて採れたものだけを天ぷらに
そのあとはフキ味噌を作り置き
西京味噌で味付けしたあと、お揚げさんに乗せたり、
ピザの具にしたり
半分に割いた揚げに乗せ、フキ味噌トースト


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2016/03/17

西洋梨ピュレのパウンドケーキ

新しい焼菓子の世界を探索中...
今回も西洋梨を使ったパウンドケーキ

ある意味、焼菓子らしくない焼菓子
最初から、しっとりしています
「最初から」というのは、通常の焼菓子は出来たてよりも数日置くことで、
徐々にしっとりとしてくるものが多いからです
含まれる水分や油分の分散の影響なのかな、と想像しています

セミドライの西洋梨が見えています
が、ケーキを食べると、見えていた以上に果物を感じます
それはこのお菓子のタイトル通り、パウンド生地に西洋梨のピュレをブレンドしたからです
生地は小麦粉が少なく、アーモンドの粉末を多く使い、ブレンド方法も工夫してみました


最初から、しっとりとしたこの焼菓子が、数日寝かせることで、どのように育っていくか楽しみです

表面にもジャムを塗っています




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2016/02/10

西洋梨のガレット、再び

また別のレシピを研究中

今度は、タルトの逆さま
タルトは、下に敷いたビスケットのように硬い生地の上に、クリームっぽい中身が乗る

今回の焼菓子は、上はサクサク、カリカリ
下はアーモンドクリームでしっとり

クリーム層の柔らかさは、西洋梨のピュレが練り込んであるから
その食感は、目指すお菓子のポイントの1つ
甘さはできれば抑制したい
が、パートシュクレは文字通り砂糖が入って甘いのが本来の姿

まだ試行錯誤は続きます...

焼く前の状態

切り分けて、これから試食です

中央の層に、西洋梨が入っています




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2016/01/17

西洋梨のガレット

巷では、アルコール類とスイーツを合わせて楽しむことが、最近数多く試みられている
ワイン、ビール、ウイスキー、どちらかというと洋酒系
お酒や焼酎はまだあまり耳にしないけど
洋酒とスイーツ
そんなのは特に目新しくもないな、とも思いつつも、
元々は右よりは左寄り(政治の話ではありません)が好きな方なので、
これは、という組合せができたら、それは素晴らしいこと

と、話は違って「ジャムを贅沢に使った『何か』を作れないか」
ずっと思っている
とはいっても、やたらに甘いのはご勘弁
できれば、休日の陽射しを祝って乾杯、
そんな場面にも登場して不思議ではないような、
 ・・・そんなのはジャムではつくれない?

それはそれとして、本日の試作は「西洋梨のガレット」
生地はクレーム・ダマンド(アーモンドクリームでつくるタルトの中身)
底のパイとともに、ココアで味付け
主役の西洋梨は、ジャムとセミドライの2種類
今回は、見た目も味もジャムの勝ち!
サクッとして、ほど良い重量感、バターの幸せな香り、
そして隠し味は、塩!

そしてこのお菓子、コーヒーよりも、ビールに合うかどうか・・・

左の2個がセミドライ、あとはジャムを使用



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